ご注文は進捗ですか?

気になったことを結論が出ないまま置いたりしています。ときどき進捗も置く。

HAPPY NEW YEAR!2019

ゐゑ―――――ゐ!
2019年になりました。あけましておめでとうございます。
中の人の人生においてもかなり大きな意味を持つ一年の始まりです。
そんなことはさておき。
晦日から年明けにかけてPerfumeでいっぱいだった話をさせてください。させてくださいというか勝手に話すんですけど
ここ最近はあちこちでPerfumeの話をしていますが、ライブ参戦を機にしゃべりだしたら止まらなくなったというオタクあるあるみたいなものですので、許してください。2018年のPerfumeの演出などの進歩がすさまじく、エキサイトしていることも要因の一つです。

以前にも書きましたが、2018年12月28日には7thツアーFUTURE POPに参戦しました。
make-a-progress.hatenadiary.jp

本当は29日のliveと31日のFC限定ライブにも行きたかったのですが、チケット戦争に敗れてしまいました…なので、31日大晦日は紅白でPerfumeを見て、そのあとliveの中継を見ていました。
紅白では、見た方も多いと思いますが、「FUTURE POP SP」として『Future Pop』と『エレクトロ・ワールド』のコンボでした。『Future Pop』は予想していましたが、まさかエレワが来るとは…ファンはぶち上がりにぶち上ったことでしょう。選曲が良すぎます。中の人もスイッチめっちゃ押しました(最後の振付見てください)。エレワはのっちの「この世界のしくみ…」の部分でかしゆかあ〜ちゃんが笑いあっているのがすごく好き。あとここの腕を下にゴシゴシする振り付け好きなんですよね。

Perfume - Electro World (720p Live, Subtitled, 2013)

[Official Music Video] Perfume「エレクトロ・ワールド」

さらに演出がかなり凝っていましたね。のっちが「Deep Learningを使って盛り上げる」という趣旨の発言をしたため、今回はどんな演出があるのかと期待が高まっていたのですが、これを裏切らない素晴らしい演出でした。
ただ、deep learningについては公式発表を待ちたいと思います。何をどう使ったのかというのは結構気になりますし、deep learning畑にいる人の間でもプチ議論になっていました。今のところ、前例のあるGoogleの技術説が有力です。ちなみにdeep learningではありませんが、紅白のあとのカウントダウンliveではドコモの5G技術を用いて全世界同時配信を実施しました。*1
どうでもよいですが、これを書きながらまさに今エレワを聞いています。というか流れてきた。やっぱ名曲。
紅白が終わってからはliveの中継を腕をぶんぶん振りパンパンになりつつ見て新年を迎えました。
カウントダウンに合わせて腕を振り(部屋で)、年越しの瞬間には3人とともにジャンプをし(部屋で)、「青春謳歌~」と肩を組んでいた3人を見て「イェーイ‼」と叫んでいました(部屋で)。
そして年明け一発目の曲は『天空』です。正直鳥肌が立ちました。「3人の未来は明るいな」などと感傷に浸るオタクの顔つきをしていました。

そんなこんなで、2019年もP.T.A.の一員としてPerfumeを応援していきます。
今年一年も実りある“Future Pop”なものになりますように。
またlive行きたいな。

*1:この5G技術はPerfumeと過去何度もコラボしています。『Future Pop』の撮影の際に使用されたり、世界3都市での『FUSION』コラボの際にも使用されました。3人のシンクロ具合と5G高速通信により3人が世界3都市で独立してパフォーマンスしてもタイムラグが目視では感知できないほど、映像を合成しても違和感のないほどのハイクオリティを示しました。

Perfumeツアー@横アリに行ってきた

ゐゑーーーーーゐ!
おはようこんにちはこんばんは。

28日にPerfumeの7度目のツアーFUTURE POP@横アリに行ってまいりました。
12月を乗り切るモチベとなっていたこのライブ,本当に参戦できて嬉しく,また楽しかったです。
あまりに興奮してはしゃいだので左腕がパンパンになりました笑

セトリ

・Start-Up
・Future Pop
・エレクトロ・ワールド
・If you wanna
・超来輪
・FUSION
・Tiny Baby
・Let Me Know
〜MC〜
・宝石の雨
・Butterfly
・スパイス
・TOKYO GIRL
・575
SEVENTH HEAVEN
〜PTAのコーナー〜
・FAKE IT
FLASH
・Party Maker
・天空
〜MC〜
・無限未来

印象に残った曲と感想

特に強く印象に残った曲についてちょっとだけ。

エレクトロ・ワールド

ライブでは外せない一曲。早々にこの曲が来たことでテンションが一気に上がりました。手をキラキラさせるところや最後の「この世界のスイッチ」以降のところで一緒にボタンを押すところなどでがっつり振りをなぞりましたね。ライブ開始早々エンジン全開フル稼働になりました。

Tiny Baby

演出の凄さを感じました。3人の後ろの大型モニタに歌詞が表示されていたのですが,その歌詞のフォントがすごく印象的で,曲の雰囲気に合ったポップな感じで素晴らしかったです。どうしたらあのようなフォントを思いつくのでしょう…

Butterfly

これも演出がすごく印象的でした。最初に後ろのモニタに蝶が舞う映像が映されたことで一気に曲の世界観に入ることができました。MVもそうなのですが,かなり視覚的にも洗練された曲だと思います。ライブの演出は鳥肌ものです。

575

出ました,大好きな曲です。生で聴けて震えるくらい嬉しかったです。この曲の時は嬉しすぎてただただ硬直していた気がします…本当に嬉しかったです。

SEVENTH HEAVEN

追加公演で『Everyday』と差し替えられた曲。今ツアーでは初お披露目のはずです。あ〜ちゃん曰く「7thツアーだから」。天使か。
この曲は「seventh heaven 」の繰り返しがとにかくかっこいいい。ぜひ聴いてください。

FAKE IT

PTAの直後がこの曲でした。つまり,ぶち上がらずにはいられないわけです。腕をブンブン振りましたし,ぴょんぴょん跳ねました。ライブではエレワと並んでぶち上がる曲な気がします。

Party Maker

演出が大好きです。3人が高い位置を移動しながら踊りますが,あの舞台装置がすごいです。
この曲と『FUSION』のときはかしゆかの髪の毛の動きとダンスに目をとられていました。とにかくダンスがかっこいい曲。

無限未来

この曲の前にあ〜ちゃんが「続けること」についての想いを語っていたこともあり,未来を歌ったこの曲は特に印象に残りました。想いを話すタイミングや曲順なども含めて,ライブ構成すごいなぁ…。
「続けたいという(下積み時代からの)自分たちの想い」と「応援してくれるファン」,そして「(下積み時代の売れない頃から)首の皮一枚の状態でも続けさせてくれた関係者」についての熱い想いをあ〜ちゃんが語ってくれました。
最初に『Future Pop』を,最後に『無限未来』を持ってきてアルバムツアーとしても最高の締め方をしてくれました。両方とも未来志向な曲なんですよね。
これからも頑張ってくださいね。

MC&PTA

ベイスターズのYOKOHAMAタオルを掲げていた2人組があ〜ちゃんにいじられまくっていました。「あんたら,帰りにタオル買っていきなさい」とあ〜ちゃんに言われた通り,ライブ終了後にライブタオルを買ったようです。
PTAでは,70代のファンが参戦していることが明らかになったり,医師・弁護士・社長がかなりの数参戦していたことが明らかになる一幕も。
そしてチーム分け。中の人はチーム「キ」。なかなか「ミ」が全体で揃わないことにあ〜ちゃんが「おいおいおい」とつっこむファンとの阿吽の呼吸が楽しかったです。
PTA以降はアップ曲だらけで本格的に腕がパンパンになりました。とにかく楽しかったのでした!

おわり!

来年の夏くらいには,
Glitterやパーフェクトスター・パーフェクトスタイル
なんかもセトリに入れてほしいですね〜。

最近気になっていること。

ゐゑーーーーーゐ!
こんにちは。
最近思っていることや考えていること,興味を持ったことなどを徒然なるままに書いておきます。これはメモ的性格の強いエントリです。

死刑について

死刑って結局許されるんですかね?
日本の民度に相応な刑罰なのか。最近ずっと疑問です。
たとえ国であっても人間の命を奪うことが許されるのか。死刑を存置すべきと言えるほど日本は成熟しているのか。主権者意識が希薄なのに。納得できる理由が見つからないのが正直なところ。でも法律から論理的に考えると死刑は妥当となるのも事実。…な気がする。「生命は尊貴」と「公共の福祉」は強い。

火器管制レーダ照射事件について

遭難船を捜索するのに水上探知レーダではなく、ピンポイントで当てる火器管制レーダを使う意味が分かりません。遭難船は数分間複数回にわたって距離・高度・針路・速度などを計測しなければならないほどのものだったのですかね?ラピュタでも探していたのでしょうか。
日本の排他的経済水域内で捜索していたという話なのですが、軍艦を派遣して無害通航とは言えない状況(停泊など)にありながら日本側にその旨通告していたのかという問題がありますね。「同盟国」による攻撃用レーダ照射行為は重大な外交問題では?
相手が日本で良かったですね。ロシアなら沈められていたと思います。民間機すら堕とす国なので

プチプチで悟りは開けるのか

これはやってみたいですね。プチプチで何時間暇をつぶせるのか。無心でやっていたらそのうち悟りの境地に達せる気がします。

何かを表明することの意味って何

これは小学生くらいからずっと疑問だったことです。まさにこのエントリを書いている意味は何なのか。備忘録にするなら公開する必要はないのでは?などと思いつつ書いています。Twitterなんかは典型例だと思いますが、言わなくても良いことを書くことの方が多いですよね。それを書いて公開することに何の意味があるのかと思っています。その割には投稿しているのですが。これは小学校の絵日記や作文のときから謎です。何の意味があるのアレ。
自己完結可能なものであっても交換する、これが「コミニュケーション」なのでしょうか。
とすれば、コミニュケーションに疑問を感じる中の人は社会不適合者なのかもしれません。

生産性を維持する困難さ

日々感じています。調子のいい日と悪い日の落差があまりに大きすぎることが悩みです。とはいえ、自分の機嫌くらい自分でとれという話ですが。

ピンクノイズの効果

知っていますか?淫乱な音ではないです。「1/fゆらぎ」といえば聞いたことのある人も多いかも。あの音についていろいろと知りたい。なんで癒し効果あるのかとか。

宇宙の重心はどこにあるのか。というか重心があるのか。

最近も太陽系で最遠の準惑星「ファーアウト」発見のニュースがありました。太陽とファーアウトの距離は太陽と地球の距離の120倍ほどあるらしい。スケール感バグってる。「渋谷―横浜のX倍」とかにしてくれた方が分かる…気がする。*1
ところで、泡構造とか聞きますが、結局宇宙どうなっているの。重心とかあるのだろうか。そもそも重心のない物体って存在するのだろうか。そもそも空間は物体に含まれるのでしょうか?中の人の理解にすぎませんが、事物は安定状態にあろうと変化するはずで、そうすると重心のない安定などありえるのでしょうか。物理分からないのでその辺さっぱりですが。

以上、最近気になっていることでした。

*1:すぐに計算できることのなので計算しました。 太陽と地球の距離を1天文単位(au)といい、これは1億4960万kmです。太陽とファーアウトは120auあります。これをSFとおきます。179億5200万kmです。 次に、渋谷と横浜の距離ですが、ググる東急線で渋谷ー横浜間24.2㎞でした。とりあえず目についた数字のこれを使います。とはいえ、このままの数字で計算させると桁数の違いが大きすぎるので、渋谷ー横浜間の距離をsyとし、これを100万倍したものをSYとします。 そうすると、SY=2420万㎞となり、これは0.16176470588auとなります。さて、SF=120auとSY=0.16176470588auを比較してみると、SF=741.818181829SYとなります。SY=100万syなので、 SF=741.818181829SY=741818181.829sy ということで、太陽とファーアウトの距離は東急線渋谷ー横浜間の約7億4182万倍あるということになります。かえって分かりにくくなりましたね。ちなみに冥王星は34auなので、120auの距離がいかに遠いかということですね。

志方あきこの好きな曲。

ゐゑーーーーーゐ!
今日は志方あきこさんの好きな曲について書いていくよ!!
これを読んで曲を聴いて今日からみんな志方あきこファンになろう!仲間が欲しい
ゴタゴタ書いても不要な先入観をもたらすだけなので,今回はあっさりといきます。(PerfumeのときはPerfumeの認知度ゆえに先入観など持たないだろうと,あほみたいに書きましたが…文字数と内容が正比例していない)

とにかく素晴らしい曲だらけなので,聴きやすいおススメのものを片っ端から書いていくよ。バリバリ聴いていた時期の曲が中心ゆえに割と古い曲が多い。

志方あきこさんのオフィシャルサイトはこちら。
shikata-akiko.com
初めて志方さんご本人を見たとき,歌声とのギャップに驚いた。可愛らしい雰囲気の方なのにあんな力強く迫力ある声を出すんだ…って感じで。

朱隠し

中の人が初めて聴いた志方さんの曲。ミステリアスな雰囲気があり,独特な世界観に引き込まれる。妖怪譚や神話,生死観念などの世界観が入り混じった世界観がものすごく好きなので,この曲はとても刺さった。
突発的に聴きたくなることがあり,その度に脳が本当に好きな曲なんだろうなと感じる。聴くマリファナ
『あかやあかしやあやかしの』というゲームの曲だが中の人はプレイしたことはない。

朱隠し / 志方あきこ [あかやあかしやあやかしの][Full ver.]

話が逸れるが,中の人イチオシ(『テガミバチ』と並んでこれまでで一番面白かったと感じた)漫画作品に『失せもの宿』がある。生死観念を軸に描かれており,生前に何かしら未練を残した者がとある宿に来て,自分の未練にまつわるもの—「失せもの」—を探してあの世へと旅立っていくお話。ぜひ一度読んで欲しい。

花帰葬

志方ワールドが感じられつつもクセのない曲。落ち着いたトーンの楽曲で静かな旋律が非常に心地よい。静かに流れていくだけで終わらず,独自の世界観を見せてくれていつの間にか引き込まれる。
曲名と同じ『花帰葬』というゲームの曲だが,中の人はプレイしたことはない。
Sound Horizonの『Moira』『Roman』時代の楽曲に似ている雰囲気を感じる。

志方あきこ (Shikata Akiko) - 花帰葬

誰ガ為ノ世界

志方ワールド全開な曲の一つ。『片翼の鳥』よりやや落ち着いている旋律ながらその迫力は半端ない。曲に引き込まれるというよりは,曲に取り込まれるという感じ。
めっちゃ好き。
テイルズ オブ シンフォニア世界統合編』の曲。

Tales of Symphonia - 誰ガ為ノ世界 (Ta ga tame no sekai)

花鳥風月

曲の入りはPerfumeにも近いものを感じるし,他の曲との差異はポップ感が強くエフェクトが割と多いこと。「君と一緒に花鳥風月」から始まるサビ部分(サビ部分っていうか分からないけど,曲の中でもいい感じになるところ)がめっちゃ軽くサラサラしている。いわゆる志方ワールドはかなり弱まっている気がする。
これはかなり聴きやすくておすすめ!

志方あきこ / 花鳥風月

をかし

冒頭から割と志方ワールド出ている曲。語りにも近い曲の入りから,志方さんの静かーーな歌声でさらっさらっと歌われる……と思ったら大間違い。本番はこの後で,スピード感ある旋律で引き込まれた後,サビで一気に駆け上がる。そしてこのスピード感によって曲の世界観が一層映えるものになって,その展開に魅せられる。

志方あきこ - をかし

うみねこのなく頃に

花帰葬』と同じように曲の入りが民族音楽っぽくなる。志方ワールドあるあるである。
この曲は,中の人の感覚ではあるが,舞台を見ているような気分になる。舞台のような明確な展開とストーリー性を感じる一曲。
ゲームの方の『うみねこのなく頃に』の曲。…でしょうね。

うみねこのなく頃に - 志方あきこ

うみねこのなく頃に〜煉獄〜』という曲があり,こっちはイタリア語で激しい。旋律は同じはずなのに。

うみねこのなく頃に~煉獄~ - 志方あきこ

片翼の鳥

これまで上げてきた曲とは異なり,曲の入りから圧の強めな曲。いかにも志方ワールドって感じの曲で,民族音楽っぽさとか聴き心地の良い音の重層感(重厚感ではない),そして曲の展開の全てが抜群の曲。方々で見かける「志方さんの曲は〜な感じ」は,この曲が念頭にあると思われる。
アニメ『うみねこのなく頃に』の曲。さすが。

志方あきこ 「片翼の鳥」 歌詞付

Pantalea

笛の旋律がクセになる。そして他とはテイストが異なる曲。サビ前(っていうの?間奏のちょっとあと)からポップになって駆け上がっていくのか…?と思ったら,すぅーっと落ち着きながら志方ワールドに引きずり込まれる。初めて聴く人にはオススメの一曲!

Akiko Shikata - Pantalea

『朱隠し』に近い雰囲気を感じる曲。静かな旋律とサビ部分との落差が大きいので,一瞬で志方ワールドに落ちる。サビの旋律に迫力があり,鳥肌が立つ。
アニメ『暁のヨナ』の曲だが,中の人は見ていないので知らない。

暁のヨナ 「暁」 志方あきこ 中日歌詞

隠れ鬼

曲の入りからドキドキさせられる。スリリングな曲。
それもそのはず,『青鬼』に使われた曲なのだ。
緩急の激しめな曲で,聴いていると青鬼から逃げ回っている気分になれる。つまり,世界観に引き込まれているということだ。しかも曲の最後の方でガラッと曲の旋律が変わる箇所がある。違う曲かと思うほどだが,歌詞を聞いて安心する。そう,まだ鬼から逃げていると。

志方あきこ - 隠れ鬼 movie ver.

晴れすぎた空の下で

民族音楽らしさ全開な一曲。というかケルト音楽あたりの要素がガンガンに入っているように感じる。これまであげた曲の中では最も一般的なJpopに近い曲展開というか曲構成だと思う。その分雰囲気で志方ワールドを出してきている。

志方あきこ (Shikata Akiko) - 晴れすぎた空の下で

祈りの彼方

旋律に透明感がありとても綺麗な曲。駆け上がったりはせず落ち着いた旋律で疲れを癒してくれる。穏やかな気分にしてくれるのに,聞き入っているとあっという間に終わる。エンディング感が強い曲……と思ったら,やっぱりそうで,『テイルズ オブ シンフォニア』のOVAのエンディングに使われていたらしい。

祈りの彼方 - 志方あきこ

おわり!

志方さんの作り出す独特の世界観にみんなでのめり込みましょう。昔の志方さんの曲は良い意味で同人の色を残した曲が多いです。Sound Horizonなんかもそうですが。
志方さんの曲はゲームやアニメなどに採用されているものも多いので,どこかしらで一度は聞いたことがある人も多いかもしれません。梶浦由記/Kalafinaパターンです。
最後に,おすすめとか聴きやすいとかの制約を無視して好きな曲をあげると,アルバム『caTra』に入っている『エルーシア』『試想/想起/起動』です。アルバム曲は架空言語(音階をランダムに並べたような言語など)で歌われているという意味不明(褒め言葉)なものなのですが,すごく聴き心地の良い曲です。彼女のチャンネルに視聴版があります。伝説のアルバムだと思う。全曲本当にすごい。

志方あきこ / 「caTra」 試聴動画


志方さんは,音の多層感や迫力,世界観が非常に優れているアーティストなので,ぜひみんなハマりましょう。

ぶんぶんぶん、ハチが飛ぶ。

ゐゑーーーーーゐ!

今回も調べてみた系です。
小学生の頃から疑問に思っていたのですが,なぜ蜂の羽音を聞くと恐怖感や不快感を抱くのでしょうかね?

蜂が羽音を立てずに飛んでいたら,視認するまでは恐怖感も不快感も感じないと思うのです。

ということで,ぶんぶんイキっている蜂について調べました。今回珍しく短い。
どうでも良いのですが,小学生低学年のときに友人がアシナガバチの巣に手を出して刺されたというプチ事件があり,そのとき友人は泣いていたので,やはり蜂に刺されると痛いのですね…

蜂の羽音

蜂の羽音はおおよそ200Hzなんだそうです。*1
0〜100Hzまでが低周波音,100Hz〜20000Hzまでが可聴音,周波数が20000Hzを超えるものが超音波とされているので,蜂の羽音は可聴音ということになります。*2
ミツバチは概ね200Hzらしいのですが,どうやらスズメバチの音はもっと低い帯域で強くなるようです。その帯域がE♭に近く,*3特に強いのはE2♭とE3♭だとのこと。E2♭は77.78174593052Hz,E3♭は155.56349186104Hzです。*4スズメバチもミツバチ同様に250Hz付近の音も出してはいるようですが,引用元の計測者によれば聞き取れなかったそうです。
何はともあれ,スズメバチのあの嫌な音は低周波音とそれに近い帯域の音であることが分かりました。とりあえず低周波音として話を進めます。とりあえずね。

低周波音と心理

聴覚閾値を超える低周波音については不快感などを引き起こす可能性がある。……というものの,割と個人差が大きいらしいです。低周波音には鈍い人間の耳ですが,聞こえると不快感を覚えるかもねってことです。*5
ですが!ですがですよ,蜂の羽音を聞いてネガティブな心理的影響を受けない人はおそらくいないだろうと考えられるので,羽音の不快感・恐怖感の原因を感じ方の個人差が大きい低周波音に求めるのは無理がありそうだなとなるわけです。

伝家の宝刀「人類の進化の中で…」

羽音に特有の低周波音が恐怖感・不快感といったネガティブな心理を形成するのではなく,ハチの羽音に対するネガティブな心理は人類の進化の過程で形成され受け継がれた回避行動の一種ではないかという説を唱えてみます。前回のヘビ・クモのエントリと同じ話になりますが。
ミツバチは低周波音を発しているわけではないですが,音が聞こえたら「うわっハチ…」ってなるわけですし,近づきすぎないように気をつけますよね。
人類の祖先は,狩猟採集のために森などハチの生活圏に入った際に,あるいは花の蜜などを吸おうと花に手を伸ばした際に,ブンブンいう生き物に刺されて痛い思いをしているはずです。2回目に刺された時には,場合によってはアナフィラキシーショックを起こして生命の危機に瀕するという経験もしているでしょう。そうすると,ブンブンいう生き物=ハチは攻撃してくる上,刺されたら痛いし場合によっては死ぬ危険な生き物ということを学びます。それがヘビの恐怖感のように人類の本能レベルで刻まれたのか,それともクモへの恐怖のように文化的に伝達されたのかはわかりませんが,ハチの羽音が聞こえる=警戒しよう又は回避しようという防衛行動をとる必要があり,その引き金として不快感や恐怖感があるのではないかと思うわけです。

で,結局は?

ハチの羽音が特定の帯域の周波数を持っているから恐怖感や不快感を抱くというわけではなさそうでした。研究されていないだけですかね?
中の人の個人的な説は,「人類が蜂に刺された経験からハチを回避するための防衛行動の一種として羽音が聞こえたら不快感や恐怖感を抱く」です。誰か実験してくれないかな。

気持ち悪いものほどすぐに認識する謎。

ゐゑーーーーーゐ!
こんばんは。まさにこのエントリを書いている際にPCがフリーズしました。悲しみの中でのエントリです。

ところで,気持ち悪いものや嫌いなものほどすぐに視界に捉える経験をしたことはありませんか?例えば,ヘビやクモ,ゴキブリなどはどういうわけか視界に捉えやすいし視界に入った途端にすぐに「あっ…ヤツだ」と認識できたなんて体験はありませんか?しかも一度目にすると目が離せなくなりませんか?ところでヘビっていうほど気持ち悪いか?
あれ,なんでなんでしょうね?視界には他にもたくさんのものが映っているはずなのに。
とまあ、そんな疑問を解消してみます。

忙しい人のための結論

なんでやたら目について目が離せなくなるのかというと、回避すべき気持ち悪いものは脳の扁桃体にストレートに情報が送られるからです。扁桃体は恐怖に関する反応に関係しているので気持ち悪いものを「ゔぇえ」と認識します。そのため一種の回避行動として注意を払い、その結果として他のものよりやたら目につくようになります。そして目が離せなくなるのは、気持ち悪いものへの意識の処理が優先されて他のものへの意識が相対的に下がるからです。ヘビは本能的に、クモなどは知識的に回避すべきものとして認識され扁桃体にデータが送られます。
これから先は論文の内容をなぞっていきます。長いので引き返すなら今のうちに。

恐怖関連生物と恐怖関連刺激

今回参考にした論文『恐怖関連刺激の視覚探索:ヘビはクモより注意を引く』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcss/18/1/18_1_158/_pdf/-char/ja
に倣って、ヘビやクモを恐怖関連生物とし、それらの写真を見ることで受ける刺激を恐怖関連刺激とします。同様に、ヘビやクモのように恐怖感や不快感とは無関係な生物を恐怖非関連生物とし、それらの写真から受ける刺激を恐怖非関連刺激ということにします。
余談ですが、英語では恐怖症をphobiaといい、ヘビ恐怖症はophidiophobia、クモを恐怖症はarachnophobiaといいます。arachnophobiaは世界で最も罹患者数が多いとも言われているそうです。(『恐怖関連刺激の視覚探索:ヘビはクモより注意を引く』1.3参照)

前提

恐怖関連刺激の検出

実験

論文内で紹介されていますが、Ohman, Flykt, & Esteves (2001)により恐怖関連刺激と恐怖非関連刺激の検出速度に差があるのかを調べる実験が行われました。
この実験が行われた時点では、ヒトはヘビやクモに強い注意を向けることが分かっています。

手法

複数の花やキノコなどの恐怖非関連刺激カテゴリの写真と恐怖関連刺激カテゴリであるヘビやクモの写真を用意し、同一カテゴリからなるマトリクス又は同一カテゴリの中に一枚だけ異なるカテゴリの写真を混ぜたマトリクスを提示する。被験者は提示されたマトリクスが同一カテゴリで構成されているのか否かを答える。
具体的には、花やキノコの写真が複数ある中に一枚だけヘビの写真が入っているマトリクスやクモの写真だけのマトリクス、あるいはヘビの写真複数枚の中に一枚だけ花が混ざっているマトリクスを見せて、被験者に「これは同一カテゴリによるマトリクスか?それとも異物が混ざっているか?」を答えさせるというもの。

結果

恐怖非関連刺激の中に恐怖関連刺激が含まれる場合(花やキノコの中に一枚だけのクモ)の方がその逆(ヘビの写真の中に唯一の花)より判断が速かった。
また、写真の枚数を増やしてマトリクスを大きくすると、恐怖非関連刺激を検出するまでの時間は増えるが、その逆である恐怖関連刺激の検出時間は増加しなかった。つまり、ヘビの中から花を見つけるのはマトリクスを大きくすると時間がかかるが、花の中のクモを見つけるまでの時間はマトリクスの大きさに関係しないということである。恐怖関連刺激はマトリクスの大きさに関係なくよく目立つということがここから言える。

結論

人類の進化の過程で脅威であったヘビやクモには特に強い注意が向けられ、優先的に反応できるようになっている。

反論「単に動物と植物の違いでは?」

Lipp, Derakshan, Waters, & Logies (2004)は、恐怖非関連刺激として花やキノコの代わりに馬と猫を使った。この場合、花やキノコの時よりも恐怖非関連刺激を検出するスピードが上がった。このことから、恐怖関連刺激であるか否かを問わず動物には植物より速く反応するだけではと反論した。

結局のところ…「動物同士での比較でも気持ち悪い方に素早く反応するよ?」

動物の写真は恐怖関連刺激か否かを問わず植物よりも素早く反応することが明らかになり、「ヘビだから」「クモだから」という主張ができなくなっていたところに、Lipp (2006)が希望を持ってきた。Lipp は恐怖非関連刺激において動物は植物より速く反応されることを示したが、ここでは何をしたのかというと、恐怖非関連刺激に鳥と魚を使った。それで同じように実験してみると、鳥と魚よりもヘビとクモに素早く反応することを示せた。つまり、人間は動物の中でも恐怖関連生物に対して優先的に反応していた。

ヘビとクモ、どちらがより早く認識されるのか?

人間が払う注意に関して、視覚的な注意には2つのプロセス:「注意の捕捉」と「注意の拘束」があります。「注意の捕捉」は素早く発見できるかを、「注意の拘束」は目が離せなくなることを意味しています。したがって、ヘビやクモは花の中に1枚だけであっても素早く発見されるので注意を強く捕捉し、また、ヘビの中の1枚の花を見つけるには時間がかかる(=ヘビからなかなか目が離せない)ので、ヘビは強い「注意の拘束」力をもっていることになります。ただ、これだけでは恐怖関連生物のヘビとクモのどちらが一層強く注意を捕捉し拘束するのかはわからないので、柴崎全弘と川合伸幸が実験してくれました。*1論文のタイトルを読めばどちらなのかはわかりますが、とりあえず話を進めます。

実験

ヘビ・クモ・花・キノコを使っての実験とヘビ・クモ・鳥・コアラを使っての実験を行い、ヘビとクモをそれぞれ分析する。

実験1:ヘビ・クモ・花・キノコ(動物と植物の場合*2
手法

ヘビと花、ヘビとキノコ、クモと花、クモとキノコの4通りの組合せで実験を行った。花のみの場合(ターゲット無試行)、ヘビのみの場合(ターゲット無試行)、花の中に一枚だけのヘビの場合(ターゲット有試行)、ヘビの中に一枚だけの花の場合(ターゲット有試行)でマトリクスを作った。ヘビとキノコの場合、クモと花の場合、クモとキノコの場合についても同様である。これらのマトリクスをランダムに提示し、被験者に「提示されたマトリクスは同じカテゴリで構成されているか否か」を判定させた。
被験者がマトリクスを提示されてから判定するまでの時間を潜時とし、被験者ごとに判定したマトリクスに対する潜時の中央値を求めた。

結果
  • ターゲット有試行の場合(花の中にヘビ・ヘビの中に花など)

恐怖関連刺激を検出する方が有意に速かった。また、マトリクスの大きさに関係なく恐怖関連刺激を速く検出することが分かった。例えば、ヘビの中の一枚の花より花の中にヘビが一枚あるの方が速く判定される(クモの場合も同様)。

  • ターゲット無試行の場合(花のみ・ヘビのみなど)

恐怖関連刺激の検出が恐怖非関連刺激の検出に遅れた。マトリクスのサイズが大きくなっても恐怖関連刺激の検出はやはり恐怖非関連刺激の検出よりも有意に遅れた。例えば、キノコのみのマトリクスを「同一カテゴリから構成されている」と判定する時間の方が、ヘビのみのマトリクスを判定するより速かった。ヘビのみとかクモのみとか気持ち悪くてびっくりしたからじゃね?

ヘビとクモ、よりイヤな方は?

どちらも同程度に人間の気を引く(注意を捕捉する)が、より一層目が離せなくなる(注意を拘束する)のはヘビ。
論文によれば、恐怖非関連刺激の中に恐怖関連刺激が一枚だけある場合には、

マトリックスのサイズが 2 × 2 のときの各刺激の検出時間は,866.35 ms ± 53.31(ヘビ),870.88 ms± 46.20(クモ)であった.また,マトリックスのサイズが 3 × 3 のときは,878.95 ms ± 41.28(ヘビ),873.10 ms ± 40.47(クモ)であり,いずれのサイズでもヘビとクモの検出時間に大きな差はみられなかった.

とあり、誤差の範囲を考慮しても差はあまりない。花やキノコの中で一枚だけの恐怖関連刺激なら、ヘビもクモも発見に大差ないということである。よって、いずれも人間の注意を同程度に捕捉する。いずれも同じくらい気持ち悪いという悲しい現実。
では、この場合の逆である恐怖関連刺激のヘビ又はクモの中に一枚だけ花又はキノコがある場合はどうなっているのか。

マトリックスのサイズが 2 × 2 のときの花・キノコの検出時間は,1025.15 ms ± 65.63(ディストラクターがヘビ),892.65 ms ± 49.54(ディストラクターがクモ)であり,ヘビの中から検出するときのほうが遅くなった.また,マトリックスのサイズが 3 × 3 のときは,1037.05 ms ± 49.36(ディストラクターがヘビ),998.90 ms ± 55.37(ディストラクターがクモ)であり,ヘビの中から検出するときのほうが遅くなった.

ヘビの中からきれいなものを見つける方がクモの中からきれいなものを見つけるより遅いということは、ヘビはそれだけ人間の注意を拘束する(=目が離せなくなる)ものであるということになる。
最後に、ヘビのみのマトリクスやクモのみのマトリクスの場合はどうか。

マトリックスのサイズが 2×2 であったときの平均反応潜時は,1159.43 ms ± 67.44(すべてヘビ),1050.15ms ± 53.52(すべてクモ)であった.また,マトリックスのサイズが 3×3 のときは,1369.05 ms ±77.78(すべてヘビ),1124.53 ms ± 62.91(すべてクモ)であり,マトリックスがヘビで構成されていたときのほうが,いずれのサイズでも反応潜時は遅くなった.分散分析の結果,刺激の主効果が有意であり (F(1, 19) = 81.72, p<.001),マトリックスがヘビであったときのほうがクモであったときよりも,ターゲット不在の判断が遅くなった.

つまり、ヘビの方が目を引く(=周囲に注意を差し向けることが難しい)ということである。強力に注意を拘束するのがヘビ。

実験2:ヘビ・クモ・鳥・コアラ(全て動物の場合)
手法

実験1と同じ。

結果
  • ターゲット有試行の場合(鳥の中にヘビ・クモの中にコアラなど)

恐怖関連刺激の方を速く検出した。また、恐怖関連刺激の検出の方が速くなることはマトリクスの大きさに関係ない。例えば、マトリクスの大きさによらず、鳥の中に一枚ヘビがある方が、ヘビの中に一枚鳥がある場合より早く判定されるということ(クモも同様)。

  • ターゲット無試行の場合(ヘビのみ・コアラのみなど)

恐怖関連刺激の検出が恐怖非関連刺激の検出に遅れた。また、マトリクスの大きさに関係なく、恐怖関連刺激の検出は遅れる。例えば、クモのみの場合の方がコアラのみの場合よりも判定に時間がかかるということ(ヘビについても同様)。

ヘビとクモ、よりイヤな方は?

ヘビの方が注意をより強く捕捉・拘束する。
論文によれば、一枚の写真が恐怖関連刺激の場合は、

マトリックスのサイズが 2 × 2 のときの各刺激の検出時間は,878.44 ms ± 29.63(ヘビ),949.53 ms± 33.74(クモ)であった.また,マトリックスのサイズが 3 × 3 のときは,988.56 ms ± 29.80(ヘビ),1008.12 ms ± 28.91(クモ)であり,いずれのサイズでもヘビの検出はクモの検出よりも速くなった.

とのこと。どうやらヘビの方が人間の注意を捕捉するよう。
そして、写真一枚だけが恐怖非関連刺激の場合は、

マトリックスのサイズが 2×2 のときのトリ・コアラの検出時間は,1034.94 ms ± 43.07(ディストラクターがヘビ),956.94 ms ± 29.04(ディストラクターがクモ)であり,ヘビの中から検出するときのほうが遅くなった.また,マトリックスのサイズが 3 × 3 のときは,1085.12 ms ± 41.57(ディストラクターがヘビ),1028.85 ms ± 34.57(ディストラクターがクモ)であり,ヘビの中から検出するときのほうが遅くなった.

とあり、ヘビの方が注意の拘束力が強いらしい。
最後にヘビのみやクモのみで構成されたマトリクスの場合。

マトリックスのサイズが 2×2 であったときの平均反応潜時は,1116.00 ms ± 39.56(すべてヘビ),1102.24ms ± 44.93(すべてクモ)であった.また,マトリックスのサイズが 3×3 のときは,1426.68 ms ±63.31(すべてヘビ),1297.53 ms ± 56.66(すべてクモ)であり,マトリックスがヘビで構成されていたときのほうが,いずれのサイズでもターゲット不在の判断は遅くなった.

したがって、ヘビの方が注意を強く拘束することが分かる。

結論

ヘビ・クモと植物を比較すると、植物の中からヘビ・クモを見つける方がヘビ・クモから植物を見つけるよりも速い。そして、マトリクスを大きくしたとき、ヘビ・クモがターゲット(写真1枚だけ)のときは検出にかかる時間は変化しない(=花の枚数が増えようが一枚のヘビは毎回同じくらいの時間で発見できる)が、植物がターゲットの場合は検出時間は増大した(=ヘビの枚数が増えると一枚の花を見つけるのに時間がかかる)。このことから、植物よりも恐怖関連刺激は注意を捕捉しているしよく目立つ(ポップアップしている)。
ヘビ・クモと動物を比較すると、動物の中からヘビ・クモを見つける方がヘビ・クモの中から動物を見つけるよりも速い。しかし、マトリクスを大きくすると、ヘビ・クモがターゲットの場合も動物がターゲットの場合も、発見までの時間は増加する(=クモから鳥を見つけるより鳥からクモを見つける方が速いが、鳥が増えると一枚のクモを発見するまでに時間がかかる)。したがって、動物の中に恐怖関連刺激があるとき、恐怖関連刺激が注意を捕捉するものの常にポップアップしているわけではない。
ヘビとクモを比較すると、ヘビの方が注意を捕捉し拘束する。

ちなみに

なぜヘビやクモに速く反応できたのか

ヘビやクモなどの恐怖関連刺激を見たときには脳の偏桃体にその視覚情報が送られます。偏桃体に送られると何のメリットがあるのでしょう。

扁桃体の活動は,生体が闘争あるいは逃走反応をとるのに必要な自律神経反応と結びついており (LeDoux, 1996),

生存本能に関係する領域に情報を送っているわけですね。ヘビやクモに対して素早く反応できていたのはこの生存本能的な側面があるようです。

通常,視覚刺激は外側膝状体を経て後頭葉にある 1 次視覚野へと送られるが,外側膝状体や 1 次視覚野を経ずに,上丘と視床枕を介して扁桃体へと送られる経路も存在する (Ohman, 2005) ¨ .この経路は皮質を経由しないために視覚刺激の細かい分析は受けられないが,情報を迅速に扁桃体へ伝えることができるという利点をもつ(Ohman,Carlsson, Lundqvist, & ¨Ingvar, 2007).

扁桃体にデータを送ることで、とにかく速く生存本能による行動を起こせるようになるということですね。

ヘビやクモに対する注意の捕捉と拘束の差

注意の補足は環境要因に関する知識の問題みたいです。

日本にはヒトの生死に関わるほどの強い毒をもったヘビが生息しているが,そのような強い毒をもったクモは生息していない (今泉, 1999; 羽根田, 2004).多くの日本人は,この事実を知識としてもっているため,クモよりもヘビに対する恐怖が強くなり,したがって視覚探索課題ではクモよりもヘビを速く検出できることが予想される.

注意の拘束は程度の問題ですね。

恐怖関連刺激から構成されるマトリックスのときに判断が遅くなるという結果は,恐怖関連刺激は恐怖非関連刺激よりも強く注意を拘束する (Lipp & Waters, 2007) ので,視覚探索が妨害されるためであると説明される.この説明では,恐怖非関連刺激がターゲットのときには,ディストラクターであるヘビ・クモによって視覚探索が妨害され,ターゲットの検出が遅れることを予測する.

ヘビやクモに対する恐怖症の起源

ヘビへの恐怖

人類が進化の過程でヘビの恐怖に晒されてきたことが原因で、人間は祖先が脅威に感じていたものに対する恐怖感を獲得する傾向を生まれながらにして持っているらしいです。要はヘビに咬まれたり捕食されるリスクがあったので天敵回避のための恐怖感ってことですかね。

クモに対する恐怖

ヘビとは異なりクモは人間の天敵にはなりません。人間を捕食するほどのでかいクモはいません。ガストレアくらい
クモへの恐怖は、クモに咬まれることによる感染症を避けるための反応ではないかと指摘する説があります。クモに咬まれると感染症の危険があるという認識が文化的に伝わり、そのことを知識として身につけているがためにクモへの恐怖を抱きやすくなっているという考え方です。
サルを使った実験があり、ヘビとクモのおもちゃを透明なケースに入れてケースの上に餌を置いてサルの反応を見るというものです。この実験では、ヘビのおもちゃの入ったケースにはなかなか手を出そうとしませんでしたが、クモのおもちゃのケースには徐々に手を出すようになったようです。つまり、クモ(のおもちゃ)を本能的に恐れているわけではないということを示されました。これにより、クモへの恐怖感は、文化的に恐怖感を伝達してきた人類に特有のものではないかと言われています。

おわり!

これを調べて書くのに4時間近くかかっています。あほですね。他にもいくつか読んだんですが、ヘビ嫌われすぎじゃない?

*1:繰り返しになるが『恐怖関連刺激の視覚探索:ヘビはクモより注意を引く』

*2:キノコは菌類であって植物ではないが、ここでは恐怖関連刺激が動物で恐怖非関連刺激が動物ではないという対比を明確にするためにキノコを植物に入れておく。