ご注文は進捗ですか?

気になったことを結論が出ないまま置いたりしています。ときどき進捗も置く。

ぶんぶんぶん、ハチが飛ぶ。

ゐゑーーーーーゐ!

今回も調べてみた系です。
小学生の頃から疑問に思っていたのですが,なぜ蜂の羽音を聞くと恐怖感や不快感を抱くのでしょうかね?

蜂が羽音を立てずに飛んでいたら,視認するまでは恐怖感も不快感も感じないと思うのです。

ということで,ぶんぶんイキっている蜂について調べました。今回珍しく短い。
どうでも良いのですが,小学生低学年のときに友人がアシナガバチの巣に手を出して刺されたというプチ事件があり,そのとき友人は泣いていたので,やはり蜂に刺されると痛いのですね…

蜂の羽音

蜂の羽音はおおよそ200Hzなんだそうです。*1
0〜100Hzまでが低周波音,100Hz〜20000Hzまでが可聴音,周波数が20000Hzを超えるものが超音波とされているので,蜂の羽音は可聴音ということになります。*2
ミツバチは概ね200Hzらしいのですが,どうやらスズメバチの音はもっと低い帯域で強くなるようです。その帯域がE♭に近く,*3特に強いのはE2♭とE3♭だとのこと。E2♭は77.78174593052Hz,E3♭は155.56349186104Hzです。*4スズメバチもミツバチ同様に250Hz付近の音も出してはいるようですが,引用元の計測者によれば聞き取れなかったそうです。
何はともあれ,スズメバチのあの嫌な音は低周波音とそれに近い帯域の音であることが分かりました。とりあえず低周波音として話を進めます。とりあえずね。

低周波音と心理

聴覚閾値を超える低周波音については不快感などを引き起こす可能性がある。……というものの,割と個人差が大きいらしいです。低周波音には鈍い人間の耳ですが,聞こえると不快感を覚えるかもねってことです。*5
ですが!ですがですよ,蜂の羽音を聞いてネガティブな心理的影響を受けない人はおそらくいないだろうと考えられるので,羽音の不快感・恐怖感の原因を感じ方の個人差が大きい低周波音に求めるのは無理がありそうだなとなるわけです。

伝家の宝刀「人類の進化の中で…」

羽音に特有の低周波音が恐怖感・不快感といったネガティブな心理を形成するのではなく,ハチの羽音に対するネガティブな心理は人類の進化の過程で形成され受け継がれた回避行動の一種ではないかという説を唱えてみます。前回のヘビ・クモのエントリと同じ話になりますが。
ミツバチは低周波音を発しているわけではないですが,音が聞こえたら「うわっハチ…」ってなるわけですし,近づきすぎないように気をつけますよね。
人類の祖先は,狩猟採集のために森などハチの生活圏に入った際に,あるいは花の蜜などを吸おうと花に手を伸ばした際に,ブンブンいう生き物に刺されて痛い思いをしているはずです。2回目に刺された時には,場合によってはアナフィラキシーショックを起こして生命の危機に瀕するという経験もしているでしょう。そうすると,ブンブンいう生き物=ハチは攻撃してくる上,刺されたら痛いし場合によっては死ぬ危険な生き物ということを学びます。それがヘビの恐怖感のように人類の本能レベルで刻まれたのか,それともクモへの恐怖のように文化的に伝達されたのかはわかりませんが,ハチの羽音が聞こえる=警戒しよう又は回避しようという防衛行動をとる必要があり,その引き金として不快感や恐怖感があるのではないかと思うわけです。

で,結局は?

ハチの羽音が特定の帯域の周波数を持っているから恐怖感や不快感を抱くというわけではなさそうでした。研究されていないだけですかね?
中の人の個人的な説は,「人類が蜂に刺された経験からハチを回避するための防衛行動の一種として羽音が聞こえたら不快感や恐怖感を抱く」です。誰か実験してくれないかな。