ご注文は進捗ですか?

気になったことを結論が出ないまま置いたりしています。ときどき進捗も置く。

解剖学の入門書を読んでみた。

ゐゑーーーーーゐ!
おはようございます。

実はここ最近,解剖学の入門書を読んでおりました。理由は単に読みたくなったからです。
医学系や療法系の人とは異なり,かなり気楽に読みすすめておりました。
読んだ本はこれ。

運動・からだ図解 解剖学の基本

運動・からだ図解 解剖学の基本


メモがてら,面白かったものを紹介します。

骨格系

ハバース層板

ハバース層板は骨単位という円柱構造を構成する組織です。そもそも骨は外側の緻密質と内側の海綿質から構成されており、骨単位は緻密質の構成単位です。この骨単位を構成するのはハバース管とそれを囲むハバース層板、そして介在層板です。ハバース管の中を血管が通ります。ハバース層板はバウムクーヘン状の構造をしています。骨の外側の緻密質はこのバウムクーヘン状の円柱と介在層板が密になってできていたのですね。おもしろい。

橈骨・尺骨

前腕の2本の骨のことで、親指側を橈骨、小指側を尺骨といいます。この2本は両端で上橈尺関節と下橈尺関節でつながっています。手側が下橈尺関節、肘側が上橈尺関節です。この2つの関節はともに車軸関節というタイプの関節なので、これにより腕をひねる動作が実現されます。車軸関節というのは、片方の骨が軸となって回旋するときもう片方の骨がそれを支える関節をいいます。
関節には他にも平面関節、球関節、そして蝶番関節があります。平面関節は関節面が平面で可動域の小さい関節であり安定性が高くなっています。球関節は関節頭(関節で接続する骨の凸型部分)が関節窩(凸型の関節頭と向き合って対になる凹型部分)に嵌る形になっており可動域が大きくなっています。蝶番関節は可動方向が限定的だが可動域がやや大きい関節です。平面関節は椎間関節が、球関節は肩関節が、蝶番関節は肘関節が代表的です。

咽頭隆起

咽頭を固定する軟骨で、いわゆる「のどぼとけ」。
火葬後、骨壺に最後に収める骨ものどぼとけといいますが、これは第2頸椎であり、仏が坐しているように見えているのは歯突起という第1頸椎から分離した椎体のことなんだそうです。
人体にはふたつの喉仏があるんですね。

筋系

胸鎖乳突筋

首を動かす筋肉の一つです。この筋肉は結構大きめで胸骨上端から耳の後ろにある側頭骨まで発達しています。首をひねると浮き上がる長い筋、それが胸鎖乳突筋です。
ちなみに首を動かす筋肉は胸鎖乳突筋の他に、椎前筋、斜角筋、板状筋、半棘筋、そして後頭下筋があります。

咀嚼筋

咀嚼に関わる筋肉は4種類あり、咬筋、側頭筋、外側翼突筋、そして内側翼突筋です。咬筋は歯を食いしばるときに、側頭筋は下あごを上に持ち上げるときに、内外翼突筋は下あごを前後左右に動かすときに使われる筋肉です。顎も意外と複雑なんですね。

生殖器

精液

精液の匂いのことを「イカ臭い」だとか「栗の花の匂い」ということがありますが、これは前立腺で分泌される漿液が原因です。意外なことにこの漿液は精液の20%程度に過ぎず,精液成分の70%は精嚢からの粘液です。前立腺は膀胱の下部に、精嚢は膀胱の脇にあります。
精子は陰嚢で作られた精子が精管を通って(奇妙な表現ですが)体内へ上がってきます。そして尿道を通って体外に出る前に、精嚢からの果糖が多く含まれたアルカリ性粘液と合流し、さらに前立腺からの漿液や尿道球腺(カウパー腺)からの透明な液体と合流します。この混合液が精液です。
なぜアルカリ性の粘液を含むのかというと、子宮内は酸性(pH3.5〜4.5程度とも言われているそうです。)であるため、精子をこの酸環境から保護する必要があるからです。

卵子

卵子は卵巣で作られます。そして約4週間ごとに排卵されます。この排卵は、卵巣から卵管膨大部に卵子が放出され、卵管の中を卵子が移動していく経過をたどります。この移動、なんと卵子(成熟卵胞)が卵巣の壁を突き破ります。卵巣と卵管膨大部が繋がっていないため,一旦卵巣壁を破り腹腔を通過して卵管へと向かっていきます。黄体ホルモンにより排卵の際には卵巣壁が破れるらしいですが、それにしても進化の中でもう少し何とかならなかったのでしょうか…

終わり!

人体すごい。
たまに異分野の本を読むと面白いですね。