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気になったことを結論が出ないまま置いたりしています。ときどき進捗も置く。

木星って実は敵…?

こんな話を見つけた。
nypost.com

地球を小惑星などから守ってくれているとされてきた木星が実は地球に向けて小惑星などを飛ばしてきているのではというお話。

木星といえばその巨大な質量による重力で地球を隕石から守ってくれている守護神的存在とされてきたし、実際に体を張って隕石を受け止めた証拠も数々観測されている。(例えば次の記事。)
vaience.com

ところがこの定説を覆す説が唱えられている。
木星は隕石などの軌道を太陽系の内側、つまり地球などの方向へとねじ投げているのではという疑惑が生まれたのだ。
木星の重力によって軌道がねじ曲げられたことによって、本来であれば地球やその周辺にやってくるはずのない隕石がやってくることで地球を危険に晒している可能性があるということだ。

この新説によって突如として地球にとってネガティブな役割に追いやられそうな木星だが、これまで通りの地球のために体を張ってくれるガードマンとしての地位も残しているそう。

というのも、木星は隕石や小惑星を捕え軌道をねじ曲げてどこかへ放り投げるが、これは地球にとって危険な隕石や小惑星を地球周辺から除去してくれる場合(ガードマンの顔)と地球に危険なエリア方向に送り込んでくる場合(テロリストの顔)とがある。

今回の新説は木星に後者の顔もあるということを唱えているのだ。

めっちゃ低密度な惑星

https://www.spacetelescope.org/images/opo1960a/?utm_source=Twitter&utm_medium=social&utm_campaign=SocialSignIn

地球の数倍未満の質量しかないのに木星と同じくらいの大きさを持つ惑星の話。
snow lineという氷が存在できる領域の外で形成されたのちに内側に移動してきたと考えられている。

laser weapon

コスパ的な問題からいよいよレーザ武器の本格的導入が進みそうですね

https://www.lockheedmartin.com/en-us/news/features/2019-features/how-laser-weapons-are-changing-the-defense-equation.html

以前、市販の安いドローンを一発数億円するパトリオットミサイルで撃墜したという事例が話題となった。
どう考えてもコスパの悪い防衛策だがそれしか無かったのでどうしようもなかったという話だ。
このことは、数万円程度のドローンを大量に用意すれば誰でも国家に対して容易に経済的なダメージを与えることができるということ、そして本命の攻撃前にドローンをダミー代わりに使って防衛力を削ぐことができるということを意味している。

国家にとっては極めて深刻な問題。
レーザ武器はコスパも良いし大規模な発射台などを必要としない。しかもピンポイントに光速で見えない攻撃を行うことができる、救世主的な存在だ。

自己制御における意識と無意識

今回は自己制御に無意識が果たす役割が大きいよというお話。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpsy/81/5/81_5_485/_pdf

自己制御のプロセス

人間の複雑な精神活動や行動における複雑な自己制御プロセスにおいて、従来は意識的な選択や努力が不可欠と言われてきた。しかし、昨今の研究によって、自己制御を含む多くの行動が無意識的なプロセスによって複雑な判断や行動が可能になっているということが明らかになっている。

自己制御はコスパが悪い?

意識的な自己制御は容量制限が厳しい上に、しばしば意図したものの逆効果をもたらす。これを「抑制の逆効果説」という。

容量制限について

普段意識しない基礎的感覚や知覚の想起をあえて意識的に行おうとすると自動的なプロセスの作用が阻害される。
また、単純なタスクの達成を意識させても作業効率は上がらない。これは達成動機付けのプライミング*1を通じた無意識の達成が阻害されるためである。
これらの例として、呼吸を常に意識的に行おうとする、あるいは歩く際に足を左右交互に出すことを意識的に行うと不自然なペースになることが挙げられる。
さらに複雑さの異なる判断タスクにおいて、
意識的思考条件:「一定時間、意識的熟慮をする」
を課した場合、問題が複雑になる程決定の質が下がる。一方で、この条件を阻害したところ、つまり、一定時間の意識的熟慮が行われないように措置を取ると、問題が複雑になったとしても決定の質は落ちない。
このことは意識的な決定は課題の複雑さが増すにつれて判断の質が落ちるが、無意識的な決定はそうならないということを示唆している。

逆説的な効果について

「望まない思考を意識的に抑制しようとすると、その思考がむしろ増幅する」という現象がある。本番を前にして失敗するビジョンを押さえつけようとすると、むしろ失敗するビジョンばかり出てくる現象がまさにこれである。
意識的な抑制努力は、意識的な抑制の実行と比較的無意識な監視過程の2つのフェーズから構成されている。意識的な抑制の実行は効率が悪いと容易に崩壊し、その結果、フェーズ2の比較的無意識な監視過程による活性化効果のみが残る。ここでいう活性化とは、ある目標を達成しようと追求することで優先順位が上がること、つまりその目標達成のためにリソースが優先的に割かれることをいう。

意識的抑制と無意識的抑制の比較

統制条件:「外国人労働者の典型的な1日を推測し記述せよ」に対して意識的抑制条件:「ステレオタイプ的な記述は控えた上で記述せよ」を設定する。この場合では意識的抑制条件の方でステレオタイプ的な記述が抑制された。しかし、印象評定試験では意識的抑制条件を課した方ではステレオタイプ的な評定が促進された。これをリバウンド効果という。
一方で無意識的抑制条件では事前に平等主義の目標に関する語句に触れたことでステレオタイプの抑制がなされ、その結果、ステレオタイプ的な記述が抑制されリバウンド効果も見られなかった。
このことは無意識に委ねる方が「良い」こともあるということを示唆している。

論文研究の目的

ここまで事前研究の紹介をしてきたが、今回の論文における目的は、自己制御における意識的プロセスと無意識的プロセスの関係を検討することである。この2つのプロセスが協働する効果的な自己制御を提案することを目指す。

意識とは

時間的・空間的な制約を超えた思考を通じて、実際に経験せずとも連合を新たに形成あるいは既存のものを編集するものをいう。例えば、歩きながら明日の旅行先で巡るスポットについて考えることなど。
意識的プロセスは環境要因を手掛かりを心的に編集し新しい反応を生み出すことをいう。そして無意識的プロセスは原則として反復学習を通じて形成される連合を通じた活性化拡散の恩恵である。つまり、何度も繰り返して身につけた行動を「自然に」できるようにするということである。
意識的プロセスは目の前の環境に対して効率的な反応を示すのに対して、無意識的プロセスは未知・未経験のものは連合が形成されていないために、それのみではうまくできない。つまり、未経験のものと対峙したときには意識的プロセスが対処し、反復を通じて回路が確立されると無意識的プロセスが担当するようになるということである。

意識の編集(実行意図(Gollwitzer,1993)の議論の中核的仮定)

Gollwitzerは目標意図と実行意図を明確に区別している。
目標意図は、ある動作・行動を達成しようとする意識的意図、例えば買い物に行こうなどのことである。意図と実行にギャップ(意識的な努力なしに実行される)がある。「休日に『今日は充実した1日を過ごそう』と思ったけど結局寝て終わった」が好例である。
実行意図は、if-then形式である。これは、環境的変化をトリガーとして実行しようとする意図のことである。実行意図は行動と連関させた環境要因の発生によって自動的に実行がなされるので、意識的プロセスに依存しない実行が可能になる。
意識的プロセスと無意識的プロセスの協働の観点から見ると、最も効率的な自己制御は意識的に任意の連合を編集して無意識的プロセスにその実行を委ねるということになる。

実験

2つの競合的観念:目標と誘惑を用いる。誘惑の活性化は目標の活性化を抑制する。

参加者

参加者は都内の大学生143名(M103名、F40名、年齢範囲18~22、average18.59)である。

検証仮説

検証することは、次の仮説である。

  1. H1:勉強(目標)プライミングは勉強目標を活性化させ、勉強課題の成績を促進させる。
  2. H2:遊び(誘惑)プライミングは遊び目標を活性化させ、勉強課題の成績を阻害する。
  3. H3:プライミングの前に、遊びを誘惑刺激として遊びの誘惑がある時にこそむしろ勉強すべきという連合を意識的に形成された場合では、遊びプライミングは勉強課題の成績を促進する。

方法

3つのセクション:イメージング課題・乱文構成課題・集中力トレーニング(と「称した」3つの課題)からなる実験を行う。

イメージング課題(と称した課題)

実行意図による意識的編集の操作を行う。これは指定された状況に対して、詳細な記述を想像して行うというものである。
意識的編集がある条件群では、「遊びの誘惑があってもそれに負けず目標を達成できた様子を思い描け。このとき誘惑に屈することなくどのように行動しているだろうか?また何を考えているだろうか?」という問題を課した。
意識的編集がない条件群に対しては、「家から学校までの道のりを思い描け。このときどのように行動しているだろうか。また何を考えているだろうか?」という問題が課された。

乱文構成課題(と称した課題)

与えられた単語群で文章を完成させるプライミング操作を行う。
目標プライミング条件群では勉強(目標)に関する文章が完成されるような単語群を与えられた。
統制プライミング群には中性的な文章が完成されるような単語群が与えられた。
これは先行研究によって報告された、「乱文構成課題によって課題中に特定の意味観念に接触させるとその影響や操作の意図を自覚させずに概念の接近可能性を高める」という結果に基づいて行われている。

集中力トレーニング(と称する課題)

エラー探索課題による行動指標を測定する。具体的には、数字で埋められた20*20のマトリクスと、同じサイズで水平回転した上で数字を30箇所変えたものを用意する。そして、この2つを比較して間違い探しをさせる。勉強に動機付けされているほどこの課題のパフォーマンスが向上すると考えられる。

確認

最後にプライミングの効果やセクション間の関連に無自覚であったことを確認する。

結果

3つのプライミング(目的プライミング・誘惑プライミング・統制プライミング)それぞれに対する2つの意識的編集(意識的編集がある場合・意識的編集がない場合)の分散分析を行った。これによって、プライミングの主効果が有意であった。つまり、目的プライミングは他の2つより有意に課題のパフォーマンスが高かった。また意識的編集の主効果が有意であった。つまり、意識的編集がある場合はない場合より有意にパフォーマンスが高かった。
このことはプライミングと意識的編集に有意な相互作用があったことを意味する。意識的編集の単純主効果検定で誘惑プライミングにおける意識的編集は無かった場合に比べて有意にパフォーマンスが高かった。目的プライミングと統制プライミングでは意識的編集の有無で有意差が無かった。
ライミングの単純主効果検定及び多重比較で意識的編集の無かった場合、目的プライミングは統制的プライミングよりパフォーマンスが高かった。また、誘惑プライミングは統制プライミングよりパフォーマンスが低かった。意識的編集がある場合、目的プライミング・誘惑プライミングは統制プライミングよりパフォーマンスが高かった。これは意識的編集がある場合においては目的プライミングと誘惑プライミングともにパフォーマンスを促進することを示唆している。

考察

目的プライミングは無意識的にパフォーマンスが向上した。つまりプライミングされた目標に対応した行動が無意識的に成績を促進した。
意識的編集がない条件の場合、目的プライミングはパフォーマンスを向上させた。一方で誘惑プライミングはパフォーマンスを阻害した。意識的編集がある場合は、目的プライミング・誘惑プライミングともにパフォーマンスを向上した。
これらを総合すると、実行意図による意識的編集は意識的な努力ではない=if-then形式により目標を意識的に設定したのちには無意識が行動を引き起こす、つまり無意識による行動は意識による効率の悪い行動ではないために心的リソースを節約できるという事になる。
ただし、この実験では目標の活性化は測定できなかった。if-then形式は目標達成のためのトリガーとなる状況と行動を連関させるので、誘惑によって目標志向行動の促進が目標の活性化に媒介されたものなのかは不明である。

おわり。
不慣れで回路ができないうちは毎回意識的に行う、しかし慣れると特に考えることもなくできるようになるというのは実体験にかなっていますね。
そしてトリガーをうまく設定しておけば、実行したい行動が少ない労力で引き起こされるということです。

*1:言葉や物体の認識による先行刺激=プライムが後の行動=トリガーに無意識的に影響を与える効果のこと。

文学は社会的能力を高める?

今回は文学作品の読解が社会的能力を高めるという話。
www.jstage.jst.go.jp

今回の実験は小説読解による社会的能力への効果は、言語課題にのみ効果があるのか(近転移)、非言語課題にも及ぶ(遠転移)のかを調査した。

方法

参加者

実験群(小説読解トレーニング群):25名(男子15名・女子10名)
能動的統制群(評論読解トレーニング群):26名(男子12名・女子14名)

実験

実験は次の流れで行う。

  1. pre-test(1日目午前)
  2. training session 1(1日目午後)
  3. training session 2(2日目午前)
  4. post-test(2日目午後)
  5. follow-up test(ひと月後)
pre-test

strange story課題(言語を用いた心の理論課題)とanimation課題(図形を用いた心の理論課題)を行う。

training session 1

実験群は小説読解をトレーニングとして行う。統制群は論説文でトレーニングを行う。トレーニング終了後、読んだ内容に関連する問題に解答し、さらに解答の解説を行う。

training session 2

session 1と同じことを、トレーニングの素材を変えて行う。

post-test

pre-testとは異なるstrange story課題とanimation課題を行う。

follow-up test

strange story課題とanimation課題を行う。

strange story課題

  1. 文章を読みその後提示される問題に答える。
  2. 文章を1文ずつ提示される。
  3. 文章は3種類ー(a)心的状態に関連するstory8文、(b)動物に関連するstory8文、(c)関連のない文章8文ーである。
  4. 課題の得点を従属変数として、training(小説/論説)を参加者間要因、testの時期(pre/post/follow-up)を参加者内要因として分散分析を行う。→剰余変数(参加者個人の差異やtest条件の相異)の統制

animation課題

  1. 2つの図形が動く映像ー心的状態を表すToM、目的志向を表すGoal Direction、ランダムーを見て、その内容を記述する。
  2. 心的状態に言及するほど高得点を与える。
  3. 課題の得点を従属変数とする。その後はstrange story課題のときと同じ。

結果(strange story課題)

心的状態に関するstory

小説読解を行った実験群はtrainingとtestの有意な相互作用によりpre-testからpost-test/follow-up testの成績が向上した。
post-testとfollow-up testには有意差は見られず。

動物に関するstory

実験群はtrainingとtestの有意な相互作用によりpre-testからpost-test/follow-up testの成績が向上した。
post-testとfollow-up testには有意差は見られず。

関連のない文章

全ての主効果、相互作用において有意な差は見られなかった。

結果(animation課題)

映像の種類の種効果のみで有意な差が見られた。
最も心的状態への言及が多いToMにおいては、pre-testとpost-test/follow-up testには有意差は見られず。

考察

実験群においてstrange story課題では心情理解の得点が向上し、animation課題ではそのような結果を得られなかった。つまり、近転移のみが見られたということである。
さらにfollow-up testにおいても有意な成績向上が見られたことから、実験群では社会的能力の向上が長期的に見られることが明らかとなった。

動物に関するstoryについて

実験群では動物に関するstoryの成績も向上している。これは心情理解が人間のみならず動物にまで及んでいるということを示唆する。このような生物性の知覚は社会的能力の基盤である。
実験の結果、strange story課題では有意な成績向上があったもののanimation課題では有意な違いを得られなかった。これは言語領域と非言語領域がある生物性の知覚領域のうち、言語領域にのみ小説読解のtrainingが効果を与えたということを示唆している。

木星の南極に6つ目の嵐発見

木星の南極付近に6つ目の嵐を発見
www.nasa.gov

元々は5つの嵐が中央の1つを囲むように五角形状に存在。
木星探査衛星Junoが2019年11月3日の22回目の接近によって撮影した映像には6つ目の新たな嵐の発生が確認された。

中央の嵐はアメリカ(アラスカ除く)に相当する大きさで,新たに発生したものはテキサスに相当する大きさである。ただし今後他の5つと同等程度に大きく発達する可能性がある。
Juno's Jovian Infrared Auroral Mapper (JIRAM)を使って木星の上層から50-70キロ程度の大気の観測を行ったところ,木星深部からの赤外線を検知した。この事実は6番目の嵐の平均風速が時速362キロであることを示唆している。

なお今回の発見はJunoが木星の影から無事に脱出できたためになされた奇跡である。
Junoは2016年7月4日に53日かけて周回する軌道に投入された。オペレーションチームは木星への接近周回を14日おきに行うつもりだったので,53日の周回軌道に投入した数ヶ月後には周回軌道を小さくする予定だった。
ただ,Junoに常に太陽光を供給できるようにするためには長いとは言え53日の周回軌道にせざるを得なかった。
そして木星周回軌道に入ってからも常に太陽光を受けられるようにしていたのだが,あるとき12時間にわたって木星の影に入ることになった。
太陽光を受けてシステムにエネルギーを供給しているので太陽光が遮断されるとシステムが文字通り死ぬ。そのためエンジニアたちはjump the shadowと称して影から脱出するオペを行いそして軌道修正に成功した。これによってシステムは凍死を免れ今も接近周回ができている。