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木星の南極に6つ目の嵐発見

木星の南極付近に6つ目の嵐を発見
www.nasa.gov

元々は5つの嵐が中央の1つを囲むように五角形状に存在。
木星探査衛星Junoが2019年11月3日の22回目の接近によって撮影した映像には6つ目の新たな嵐の発生が確認された。

中央の嵐はアメリカ(アラスカ除く)に相当する大きさで,新たに発生したものはテキサスに相当する大きさである。ただし今後他の5つと同等程度に大きく発達する可能性がある。
Juno's Jovian Infrared Auroral Mapper (JIRAM)を使って木星の上層から50-70キロ程度の大気の観測を行ったところ,木星深部からの赤外線を検知した。この事実は6番目の嵐の平均風速が時速362キロであることを示唆している。

なお今回の発見はJunoが木星の影から無事に脱出できたためになされた奇跡である。
Junoは2016年7月4日に53日かけて周回する軌道に投入された。オペレーションチームは木星への接近周回を14日おきに行うつもりだったので,53日の周回軌道に投入した数ヶ月後には周回軌道を小さくする予定だった。
ただ,Junoに常に太陽光を供給できるようにするためには長いとは言え53日の周回軌道にせざるを得なかった。
そして木星周回軌道に入ってからも常に太陽光を受けられるようにしていたのだが,あるとき12時間にわたって木星の影に入ることになった。
太陽光を受けてシステムにエネルギーを供給しているので太陽光が遮断されるとシステムが文字通り死ぬ。そのためエンジニアたちはjump the shadowと称して影から脱出するオペを行いそして軌道修正に成功した。これによってシステムは凍死を免れ今も接近周回ができている。