アルツハイマーの話・続編
こんにちは。
前回、アルツハイマー患者の脳にはタウとよばれるタンパク質の異常な凝集が見られるという話を紹介しました。
ただ、前回は知らない言葉がたくさん登場したので今回はそこら辺を調べてみました。
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そもそも
アルツハイマー患者の脳
アルツハイマー患者の脳には老人斑という「シミ」とタウ・タンパク質の凝集によるNFTsが見られる。また、アルツハイマーの機序としては、アミロイドβが沈着するアミロイド病理→タウ病理→神経細胞死という流れがある。
アミロイドβ
高い集積性を示し、凝集すると神経毒性を示す。沈着すると老人斑と呼ばれるシミを形成する。認知症の最初期の特徴である。
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アルツハイマーの機序
大きく分けて3つのフェーズ:アミロイド病理→タウ病理→神経細胞死が存在していると考えられている。このような3段階のフェーズがあるとする仮説を「アミロイドカスケード仮説」という。
細胞外にある可溶性アミロイドβが増加しプラーク(不溶性の老人斑)を形成する。それにより、タウ・タンパク質の異常リン酸化が誘導される。
可溶性のタウは異常リン酸化したことで微小管から遊離する。そして軸索からスパインに転移してSrcチロシンキナーゼ*2であるfynと相互作用しfynをスパインに局在させる。こうして高濃度化したfynは活性化し、興奮性NMDA受容体*3GluN2Bをリン酸化して安定化する。
これによって、グルタミン酸シグナル伝達が増幅し、細胞内へのカルシウムイオンの流入が増加する。これによってアミロイドβの毒性が増加する。カルシウムによって誘導されたこの毒性はシナプス後部にダメージを与えて、細胞死を生じさせる。
老人斑とNFTsは不溶性で高密度に繊維化し、神経細胞にダメージを与えて細胞死を引き起こす。
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ここまでの流れをざっくりまとめると、アミロイドβが増える→タウが軸索からスパインに移動→リン酸化作用を持つfynをスパイン内に増加させる→ニューロンを興奮させるNMDA受容体をリン酸化する→興奮してシグナル伝達が増大しCa2+が細胞内に流入→アミロイドβの神経毒性増加
という感じ。